日常での筋トレ

 

形あるものはいづれ外に向かって拡散する。エントロピー増大の法則。ヒトも例外ではありません。よって、体型を維持したいのであれば、高齢者であっても筋トレは有効です。鍛えるべきは、身体の中央に位置する筋肉。具体的には、インナーマッスル、腹筋、内転筋群、臀筋など。外に向かって拡散する身体の部位を中央に引き留め、シャープな体型を維持できるでしょう。

 

筋トレと聞くと、ジムで行うものと思いがちですが、確かに、提唱したいのは日々の生活の中で筋力維持です。腹式のゆっくりとした呼吸を意識すれば常に腹圧がかかるので腹筋を鍛えることが出来ます。一度、身体がこの呼吸法を覚えれば、就寝時も腹筋を鍛えられます。もう一つ提唱したいのは、「お行儀よくする」です。

 

座った時に膝を揃え背筋を伸ばしてください。数分もすると腹筋や腿の内側が疲れてきて、股が広がる人は少なくありません。筋肉が弱っている証拠です。

 

社会的には女性が股を広げるのはハシタナイとされています。股を開くと、スカートの中が見えてしまうからということがあるでしょう。最近では、スカートよりパンツを穿く人の方が多いようです。男には、そのようなリスクがありませんので開き放題です。男性は日常での筋トレの機会を失っているかもしれません。しかしながら、女だろうが男だろうが、誰であろうと疲れるものは疲れる。すると、脚を組んで疲労をやり過ごす人がいます。しかし、脚を組むと骨盤は後傾します。骨盤が後傾すると立ち姿勢も後傾になり、スエイバックまっしぐらです。また、女性の中には膝は揃えているが、足を離す人もいます。確かに腿の内側は楽になりますが、このような姿勢は骨格を歪めてしまいます。そして、このような座り方をしていると、疲れていなくてもキチンと座ることをしなくなります。

 

お行儀よくしようが、だらしなくしようが、姿勢を保つ点では筋肉の仕事量は変わりません。姿勢がだらしないということは、身体の中心の筋肉が本来行うべき仕事を他の筋肉が補っているというこです。身体の端に位置する筋肉に負荷を掛けています。身体の外に向かえば筋肉は小さくなる。当然、体の外側の筋肉の潜在能力は、中央の筋肉のに比べて低いです。これが、身体のアチコチが痛くなる要因の一つです。高齢の方の多くが苦しんでいます。