「グルテンフリー」と「カフェインレス」

 私は十数年前から菜食主義者になり、次第にお酒の量も減り、今年に飲んだ回数は4から5回程度です。一回の酒量も一合前後です。飲みたい欲求に駆られるのも皆無です。

 

   また、昨年からは朝食を食べない生活を始め、2から3か月ごとに3日間の断食を習慣としています。昨年のサロンで、断食や小食の健康効果についてお話ししました。体調は良好です。

 

 さて、今年は更なる食生活の改善に踏み込み、小麦の摂取を控える「グルテンフリー」とコーヒーを控える「カフェインレス」に取り組んでいます。今回、これらについてお話しします。

 

 このように、肉を食べない、お酒を飲まない、パン食べない、うどん食べない、コーヒーやお茶も飲まないと、「人生楽しいの?」と思われる方も多いでしょう。

 しかしながら、現代人は食べ過ぎであり、食品添加物や農薬で身体に良い食品は限られています。また、惰性で食べている方も多いと思います。極力良質で適量な食事量で、体調は改善しますし、幸福感も増し増す。

 

 

グルテンフリー

 

「主食として白米を食するということは、とくに少年少女のためにたいへんなこと

であると考えなければならない。親たちが白米で子供を育てるということは、その子供の頭脳の働きをできなくさせる結果となり、ひいては、その子供が大人になってから、またその子供を育てるのに、ばかなことをくりかえすことになる。」

「これはせめて子供の主食だけはパンにした方がよいということである。」

「しかし、せめて子供たちの将来だけは、私どもとちがって、頭脳のよく働く、アメリカ人やソ連人と対等に話のできる子供に育ててやるのがほんとうである。」林髞著『頭脳―才能をひきだす処方箋 』

 

戦後、「日本の敗戦は米が主食だったから」とまことしやかに考えられいました。『頭脳―才能をひきだす処方箋 』は昭和33年に出版され、その後、パンやパスタや小麦が日本の食卓に浸透していきます。

 

小麦の自給自足率

 

 また、戦後から1950年代にかけて食糧難の日本と農産物の余剰に頭を悩ませていたアメリカの状況が合致し、日本への小麦の輸出が加速されていきました。これにより日本での小麦の生産は減少の一途を辿っています。

 

(おおよその目安)

日本の小麦の自給自足率 12%

輸入元 アメリカ 50% カナダ30%

 

 

学校給食

 

 日本での小麦消費の拡大の一環として学校給食にパンが導入されていきました。

 

小麦と米の消費量の推移

 

 日本では給食でのパン食やパスタやピザなどの洋食が普及し小麦の消費が増える一方で米の消費は減少しています。

 

(日本人の1年間の摂取カロリー)

                           1960年      2018年

 米       1105kcal        528kcal

小麦      250kcal      359kcal

 

 

農薬の問題 

 

 米国やカナダでは収穫を効率化するため、小麦にグリサホートを散布し不要な葉や茎を枯らしています。日本では、行っていませんが。また、日本向け輸出の小麦には防カビ剤(ポストハーベスト農薬)が散布されています。

 

 グリサホートはベトナム戦争で使用された枯葉剤が元となり開発された農薬です。同農薬の健康被害が世界各国で表面化し、使用禁止となる国が相次いでいます。しかし、日本は???

 

日本での農薬規制

  米   0.01ppm

輸入小麦     10ppm →規制緩和により基準値引き上げ???

 

小麦の品種改良 古代小麦(スペルト小麦)と現代小麦

 

  小麦の栽培は約一万年前にメソポタミアで始まりました。その後現代のまで収穫量が増え害虫に強いものに品種改良されて来ています。品種改良により収穫量が増え、多くの人口を養うことができるようになった反面、現代小麦にはグルテン質が増え消化し辛い品種になり様々な疾病の要因になっています。

 

 現在でもスペルトは規模は小さいながらも生産されいます。価格は高めですが。

 

 

 

小麦摂取への警鐘

 

 現在では小麦に含まれるタンパク質のグルテンが様々疾病の要因となっているとして、その摂取に警鐘を鳴らす書籍が数多く出版されています。

「いつものパンがあなたを殺す」「長生きしたけりゃパンは食べるな」「パンと牛乳はいますぐやめなさい」とりわけ、ノバク ジョコビッチの「生まれ変わる食事」が最も耳目を集めます。ジョコビッチ自身明言していますが「グルテンフリーのお陰でテニスランキング一位になれた」とのことです。

 

 

グルテン

 

 小麦に含まれるタンパク質のグルテン(グリアジンとグルテニン)が、捏ねたの粘り気を醸成し、パンのモチモチ感やうどんのコシなどを生み出します。

 しかしながら、小麦を捏ねると調理器具に粘り付き綺麗にするのは一苦労です。同様の状況が腸内で起こり様々な疾患の要因になっています。

 

小麦由来の疾病

 

 セリアック病やリーキーガットは小麦の摂取が要因として知しられています。

 

・セリアック病      小麦アレルギー

・リーキーガット症候群  腸に多孔性になり、その孔から有害な成分がもれる。

             日本人の70%が罹患しているとも言われる。

認知症         腸から漏れたタンパク質アミラーゼβが脳に侵入し

             認知症を発症。          

・糖尿病         小麦の摂取による血糖値が急上昇する。

             *グリセミック指数(GI) パン 95     白米 88

 

 

グルテンフリー対策(ヒント)

 

 小麦はあらゆる食品に添加されているので全てをカットするのは現実的ではありません。極力、小麦を摂取しない食生活を心がけたいものです。以下はそのヒントです。

グルテン含有量の多い強力粉を使用したパンなどから摂取量を控える。

・パン、パスタ、ピザ、やうどんなどのの主食を週に一回程度に抑える。

・天ぷらやフライなどの揚げ物には小麦が使われることに加え、高温(180度)で調理 

 されることでAGEs(終末糖化産物)が増えるので極力食べない。

・国産の小麦を使用する。

・古代(スペルト)小麦に変えていく。

・定期的に断食しグルテンを含む有害物質を身体から排除する。

 

 グルテン含有率

 強力粉  11%~13%

 薄力粉  6.5%~10%

 

カフェインレス 

 

 かつてはコーヒーは身体に良くないと言われ、子供や妊婦には勧めていません。しかしながら、最近ではコーヒーは「肝臓の解毒作用」があるとか、「代謝促進効果」があると言う専門家が現れ、テレビなどのメディアでその効用が取り扱われています。一方で、コーヒーは身体に悪いとの意見もあり「コーヒー断食」や「カフェインレス」に取り組んでいる人も多いです。

 さて、コーヒーは身体に良いのでしょうか、悪いのでしょうか。

 

 先に私の結論をお伝えします。コーヒーは「身体にとって害がある」と思慮します。

 

コーヒーの歴史

 コーヒーはアフリカのエチオピアが原産で、アラブを介し、戦争を契機としてヨーロッパへ渡り、ヨーロッパ人はその植民地で大規模農園(プランテーション)を経営し世界へ普及させていきました。プランテーション経営では、綿花や砂糖の栽培と同様に多くの黒人奴隷が動員されました。コーヒーは、小麦や綿花や砂糖と同様に商業を目的とした農作物です。

 

お茶との比較

 

 近年のコーヒーの世界での年間消費量は、おおよそ10万トン。一方、お茶(緑茶、紅茶などの合計)は6千トン。コーヒー産業がいかに大きいかが分かります。

 

カフェイン量の比較

カフェイン含有量(目安)

コーヒー 60

紅茶   30

煎茶   20

 

 

コーヒーの品種

 

 コーヒーには主にアラビカ種とロブスタ種があります。アラビカ種は酸味が強く、ロブスタ種は苦味が強い品種です。ロブスタ種は比較的栽培の手間が掛からずカフェインの含有量がアラビカ種の二から四倍です。インスタントコーヒーや缶コーヒーなどの安価なコーヒーにはロブスタ種が使用されています。

 

第二のコーヒー生産国、ベトナム

 

 コーヒーの最大の生産国はブラジルということは誰でも知っていますが、現在の二位の生産国がベトナムです。ブラジルの生産量は全体の35%を占め、ベトナムは15%にも及びます。ベトナムでのコーヒー栽培が本格化するのはベトナム戦争後、疲弊した経済を立て直すためにコーヒー栽培が推奨されました。コーヒーの巨大資本にとっては安価な労働力が魅力です。そして、ベトナム産のコーヒーのほとんどはロブスタ種です。戦争中にアメリカ軍がベトナムに散布した枯葉剤はその森林の30%にも及びます。枯葉剤の散布された地でコーヒー栽培がなされている可能は低くはのありません。

 また、巨大資本はベトナムから更に安価な労働力を求め他国へ移る可能性もあります。

 

コーヒーの効用説について

 

 コーヒーの健康効果の真相に戻ります。これらの研究がコーヒーの巨大資本の支援を受けているとしたら? 私はこう想像します。コーヒーが含有するクロロゲン酸は植物の有する抗酸化物質で、活性酸素の除去効果があり、肝臓の解毒作用があるのでしょう。研究者はクロロゲン酸に焦点を当て論文を発表します。コーヒーのデメリットには言及しません。コーヒーと同じ商業作物の砂糖の健康効果は聞いたことがありません。科学者が如何に研究しようにも、砂糖には健康を増進させる成分を見出すのは難しいのでしょう。

 

カフェインの害

 

 確かにクロロゲン酸は身体に良い効果があるのでしょうが、カフェインのデメリットは見過すわけにはいきません。

 

・眠りの質の低下

 眠気を覚すためにコーヒーを飲む。一時的に覚醒しますが、元気の前借り

ですので、眠りの質が低下するなどの副作用を伴います。

 

・中毒

 コーヒーはタバコやお酒と同様、嗜好品です。日に5杯も飲む人は、コーヒー無しではいられない状態です。依存症です。依存症の人はカフェイン抵抗性が出来上がり、覚醒作用が実感出来にくくなり、更にコーヒーに手を伸ばしてしまいます。

 

・マグネシュウムの排泄

 コーヒーの覚醒作用は、コルチゾールやアドレナリンといったホルモンの分泌を促すことで作用します。これらのホルモンは人が外敵や飢餓などから身を守るために、一時的にストレスを与えるものです。代償として必須ミネラルのマグネシュウムの体外排泄が促進されてしまいます。

 

・血圧の上昇

 コルチゾールやアドレナリンはストレスホルモンですので、血管を緊張させて(硬くして)血圧を上昇させて覚醒状態を作り出します。

 

・糖尿病

 マグネシュウムの主な働きは筋肉の弛緩ですが、インシュリンの働きをサポートします。よって、血中のマグネシュウムが不足すると、インシュリンの効きが悪くなり二型糖尿病の要因になります。

 

・肌荒れ

 カフェインはお酒と同様に利尿効果があります。利尿効果とは響きが良いですが、脱水状態を作り出すとも言い換えられます。皮膚の水分量も減りますのでお肌に良いとは言えません。

 

・体温の低下

 カフェインはストレスホルモンの分泌を促し、身体を活性化させ体温を一時的に上昇させる効果がありますが、利尿効果から必要以上に水分を放出してしまうと体温を下げてしまいます。

 

コーヒー断食の効果

 

「コーヒー断食」が注目されています。コーヒー断食の効果は次の通りです。

◎睡眠の質の向上。

◎スッキリとした目覚め。

◎体温の上昇。免疫力の向上。

◎肌質の向上。

 

 カフェインはコーヒー以外にお茶やチョコレートやエナジードリンクにも含まれています。

 

 私もコーヒー断食を2週間やってみました。以前は日に二杯ほど飲んでいました。断食中、夜の8時には眠くなりますし、その分朝の目覚めも良くなりました。体温も36.1~36.5から36.8~37度に上昇しました。頭痛はしなかったのでコーヒー中毒ではなかったようです。

 

コーヒーの楽しみ方

 

ただベジタリアンで小麦の摂取も抑え飲酒もほとんどしない私がコーヒーまで辞めると楽しみが無くなりますので、コーヒーとの付き合い方を変えてみようと思います。

・コーヒーの摂取は一日一杯以下に抑える。

・個人経営で焙煎を行っている店から豆を買う。

 コーヒーに限らず、個人経営の専門店は店主の取り扱い商品への情熱も高く質の良い品を購入できる可能性が高い。

・インスタントコーヒーや缶コーヒーやエスプレッソは飲まない。(エスプレッソもロブスタ種の含有率が高め)

・正午以降はコーヒーを飲まない。

・カフェインレスコーヒーに切り替える。カフェインレスでも少量のカフェインが残る。

・カフェインを含有していないカモミールティーやルイボスティー焙じ茶を飲む。

 

まとめ

 

 今回、小麦とコーヒーの害についてまとめましたが、いかにメディアが嘘をついているかが分かります。メディアは「嘘はついてない」と言い張るかも知れません。しかし、メリットとなる点は誇大に主張しデメリットは隠す姿勢が見透かされます。「フェイクニュース」でしょう。

 さすがに、「パンを主食にしていなかったから戦争に負けた」との主張は今では聞こえませんが、ネット上ではコーヒーの健康効果の方がその害よりも情報量が圧倒的に大きいです。食べ物だけに限らず、世間巷で言われている常識は疑うべきです。その裏にはスポンサーの意向を汲んでいる可能性大です。健全な思考を保つ上でも、テレビや新聞などのメディアとは一定の距離を保つのが賢明でしょう。お勧めは、あるテーマについて複数の書籍を読み自身の判断力を磨いていくことです。