何かをするのに歳をとりすぎていることはない。

3月下旬から4月上旬にかけて四国お遍路の旅に出かけてきました。四国お遍路は1,100キロから1,200キロもの距離があります。前回の旅までで約600キロを踏破しました。今回は、愛媛県宇和島から同伊予三島までの約300キロを歩きました。日和(ひより)峠、八丁坂、三坂峠、横峯など標高300から800メートルの山岳コースも含まれます。

 

コロナ後の規制緩和の効果から、昨年よりもお遍路さんは増えています。外国人も多かったです。しかしながら、歩きお遍路さんは少数派であります。

 

何人かの歩きお遍路さんとはすれ違ったり、宿が同じだったり、一緒に歩いたりしました。その多くは60代、70代の方です。現役時代にお遍路を敢行するのは厳しいでしょう。お金も必要ですが日数もかなりかかります。4から5週間かかります。若い頃は時間は工面できるでしょうが、お金が足りません。一泊、5から7千円、加えて食事です。参拝するお寺で御朱印を印してもらいます。300円かかります。88のお寺がありますので、計26,400円なり。仮に若くしてある程度のお金があったとして、ある種の修行に挑むでしょうか。私自身、まさかお遍路に挑戦するとは考えていませんでした。文化や歴史や宗教に興味を持つのは、ある程度人生経験を積んだからであります。40代、50代で長期の休暇が取得できればなぁといったところでしょうか。

 

しかしながら、60代、70代の歩きお遍路さん、足腰が達者です。日和峠を一緒に歩いて下さった方は登山が趣味でらして、私よりも歩くのが速かったです。一緒に歩いていなかったら、宿に無事に着けたかどうか。もうお一方。オランダの方で6回目のお遍路とのこと。今年、80歳になるそうです。

 

「何かをするのに歳をとりすぎていることはない」とは言いますが、まさにその通り。ヨガのダーマ師は、おん歳、83歳。未だレッスンを続けており、超絶ポーズを難なくこなします。その他にもいらっしゃいます。90歳のジムインストラクター、80代のユーチューバー、90歳でデジタル機器を駆使する写真家、銀行の頭取を退任後、別の会社を経ちあけ、その会社の株を上場させた会社経営者、スーパーボランティアの尾畠春夫さんは83歳、などなど。。。

 

若さを保つ秘訣は、定年後であっても何らかの社会との関わりを保つことです。今回知り合った60代、70代のお遍路さんも仕事を続けているとのことです。そして若く見えます。パートタイムでの就労、子供の世話、ボランティア活動、出来ることは多いです。

 

「一億総活躍社会」政府の掲げるスローガンの一つです。どこにも捻くれ者はいて、「年金を払いたくないから死ぬまで働かせる気なんだ」と曲解します。この標語、別の見方では、テレビばっかり見ていると老けこんで体のあちこちに不具合が出てくるということであります。病気になれば、医者に掛かります。医療費の70%は健康保険から支払われます。個人的にも医療費を払うのは辛いですが、政府も支出は抑えたい。統計は信じたくありませんが、平均的に日本人は人生の最後の10年をベッドで過ごすそうです。