ヨガ上達のコツ

ガは自重を使った筋トレ。

世の中の9割の人は右利きです。右利きが大多数を占める理由は、次の通りです。二足歩行になったヒトの場合、気道や食道を配置するため人間の心臓がやや左に寄り、左手は心臓を守ることに特化し、その他の仕事は右手でこなさなければならなくなったからです。

 

このことと関連しますが、敵と対峙するとき、ヒトは右肩を前に出し、左肩は後ろに引き身構えます。急所を守る咄嗟の姿勢でしょう。現在の日本では、誰かが急にあなたを襲い命を奪うのは想像出来ません。しかしながら、右肩前の左肩を後ろに引く癖は拭い去ることは出来ません。人類の長い歴史を鑑みれば、警察や軍が整備され治安が向上して来たのはここ100年のことです。この左肩を後ろに引く、言い換えれば、左半身が外に開く癖は、ヒトの生き永らえるための本能とも言えます。

 

ピンと来ない人は多いと思いますが、その癖は私たちに色濃く根付いているのです。町や電車で人の立っている姿勢を観察して下さい。左の爪先の方が外側に開いている人の方が多いです。仰向けになった時、ご自身や他の人の爪先の開き方を観察して下。左の爪先の方が開いている人の方が多いです。ヨガのポーズでは左脚を後ろに引くポーズのほうが圧倒的ににやり辛いです。前後開脚では、左脚後ろの方が難しいです。左腿の筋肉は外旋しようとするので、後方に真っ直ぐ伸ばすのが難しいのです。私のヨガクラスでは左脚後ろを長めに練習します。

 

また、スポーツでは左半身を開く癖が多いに反映されています。陸上のトラック、スピードスケートのトラック、野球のダイヤモンド、競輪、競艇、自動車やバイクレースの多くは左回りです。

 

日本を含めた先進国では、人々の寿命は伸び、人生100年時代とも言われます。誰かががあなたの命を奪う可能性は皆無てはないにしても極々稀なことでしょう。しかし、長年にわたり左に開く癖を続けていることは身体のバランスは崩れているとも言えます。膝痛や外反母趾は左側に出やすくなります。私は左手を極力使って、身体が左に開かないように務めています。

 

一方で、世の中には一割ほどの左利きの人がいます。左利きの人でも心臓は左側に位置しています、急所を守るためには左利きは不利です。しかしながら、左利きの人が一定数存在する理由は、身体のバランスを取るのが目的ではないでしょうか。願わくば、左右両手が同じくらい器用に使えるようになりたいものです。