砂糖断ち

私はベジタリアンを10年以上経ちます。肉魚はもちろんのこと、卵や乳製品も摂取しません。原則。実際は、多少は口に入っています。ベジタリアンを続けるのは、ヨガの禁止事項(禁戒、ヤーマ)の一つのアヒムサ(非暴力)に由来します。ベジタリアンを続けているからでしょうか、お酒を飲みたい欲求に駆られなくなりました。今では、ひと月か二ヶ月に一回飲むか飲まないかです。そして、年齢からか、お腹も空かなくなって、朝食をスキップするようになりました。以来、間欠断食を続けています。肉食を断ったのはヨガの教えからでしたが、食事は健康的になっていきました。あと二つの食材を断つと超健康的な食事になります。小麦と砂糖であります。しかし、ベジタリアンにとって、これ以上摂取できない食品を増やすは、「一体、何を食べたらいいんだ。」になってしまいますので、踏ん切りがつきませんでした。昨年、ゆるグルテンフリーを始め、ついに二月下旬から砂糖断ちを始めました。四週間経過しました。「あれ、砂糖食べなくても平気」になりました。いや、砂糖を取らなくなって調子が一段上がりました。もっと前に断っていればよかった。私は花粉症には悩まされていませんが、砂糖断ちで花粉症が改善するとも聞きます。

 

変化はすぐに現れました。目の前にあった霧が晴れるように、頭がクリアーになりました。私は三から四ヶ月ごとに三日間の断食をしていますが、この時に感じる頭のクリアーさです。また、夜間トイレに立たなくなりました。砂糖断ちと関係あるのでしょうか?

 

家族はまだ砂糖断ちをしていませんので、甘いお菓子は家にあります。これらに誘惑されないように、砂糖の害や砂糖断ちの効果を解説しているインターネット動画を就寝時に聞き流しています。おすすめは、ステン エクバルグ先生(Dr.Sten Ekberg)の動画です。英語の勉強にもなりますのでよろしかったら、どうぞ。先生いわく、砂糖は、糖尿病、虫歯、ガン、認知症、全ての疾患の原因です。夜間頻尿の原因でもあります。

 

砂糖の性質の一つは水分を吸収することです。ですので、砂糖を摂取すると水も飲みたくなります。よって、トイレが近くなります。これだけですと、私は腑に落ちませんでしたので、自分の解釈も付け加えます。

 

砂糖を摂取するとインシュリンが血中に放出され血糖値が急降下します。血糖値が下がりすぎると甘いものを取りたくなります。砂糖が麻薬やお酒のように中毒性がある所以です。血糖値の下がりすぎは睡眠中にも起きます。起きている間であれば、甘いものを食べて急凌ぎ出来ますが、睡眠中ですとアドレナリンが放出され目が覚めてしまいます。この時に膀胱に尿が溜まっていれば尿意を催します。また、砂糖はお酒同様、身体に良いものではありませんので、利尿作用で毒物を排泄しようとします。このようなことで、夜間頻尿が起きていたのでしょう。

 

人類が農業を始めたのは1万年前です。それまで、人類は糖や炭水化物ではなく脂質を摂取しエネルギー源としていました。糖や炭水化物を大量に摂取できるようになったのは、ここ数十年の先進国に限ってです。人類の歴史は10万年とも言われますので、人類はその歴史を通して脂質をエネルギーとしてきています。エネルギー代謝も脂質を基本としたもので糖代謝を基本としていません。残念ながら、食生活が変わったからと言って代謝の仕組み自体が急に変わることはありません。

 

膵臓から分出されるインシュリンは糖や炭水化物を代謝する唯一のホルモンです。一方、脂質については何種類かあります。ヒトの代謝の基本は脂質ですので、余った糖質は身体の様々な臓器や細胞に蓄えられます。これらは、敵や猛獣が襲ってくるとか火事とかの緊急時に威力を発揮するものです。まさに、火事場の馬鹿力のためです。現代では、太古に比べ命の危機は減っていますので、余った糖は使われずに身体に残ります。これが肥満の仕組みです。

 

続いて、砂糖と縁の深い糖尿病。砂糖と水が混ざるとベトベトします。砂糖を摂取すると同様の状態が血液の中でも起こっているのは想像に難くありません。ドロドロの血液では血管内での通りも悪くなります。よって、血液の身体の各器官に栄養を届ける機能も低下しますし、血圧も上昇します。砂糖の摂取量が増えると、インシュリンの分出量も増えます。インシュリンの分出量が増えるとその効きも悪くなります。糖尿病を患っている人はインシュリンを注射しなければなりませんし、身体の機能低下は免れません。

 

次に、糖と炭水化物について。ご飯やパンの炭水化物は白糖に比べてその分子はミネラルやビタミンなどにと結合して大きいです。よって、摂取時の血糖値の上昇は砂糖ほど急激ではありません。ただし血糖を上昇させる要因の一つですので取りすぎ注意です。

 

しかしながら、完全な砂糖断ちはとても困難です。市販のだし醤油や昆布の佃煮などのには少量でしょうが砂糖が使われていますし、外食の出汁などでも使われています。私が行なっているのは、甘い食べ物や飲み物を取らないことです。果物は食べます。それでも、効果的面であります。

 

お陰で、砂糖については相当頭に入りました。もっと書くことがありますので、別の機会に。最後に、私が聞き流すネット動画で繰り返し使われる言葉を。「砂糖は合法的な麻薬である。」